「プリズム・オブ・リラ 銀河系宇宙種族の起源を求めて」より引用
1992年8月20日 初版第一刷発行
著者:リサ・ロイヤル、キース・プリースト 翻訳:星名一美
琴座の恒星。
もともと琴座で生まれた種族の子孫だが、ベガ人は信条や行動面で、彼らの先祖と対極をなす種族へと発展していった。
このため、琴座人とベガ人との間には争いが絶えなかった。
琴座文明と対置される存在として最初に発達したのがベガ文明であった。
ベガ人は独自の思想と霊性を形成し、琴座にある他の文明から自らを切り離すようになっていった。
利己的な思想を持つに至った彼らは、琴座の陰極を体現していた。
琴座文明そのものは、他の文明の母体となったことから、陽極と見なすことができる。
すなわち、陽極にある琴座文明は一般に拡大指向、陰極のベガ文明は縮小指向だったと言える。
時が経つにつれ、琴座人とべガ人の間で葛藤が高まっていった。
両種族とも統合に向かわず、両極間の対立を助長する方向に流れていった。
しかし、単純に一方が善で他方が悪だったわけではない。
両者はただ物事を異なった観点から見ていたにすぎず、エネルギーの均衡を得る術を知らなかっただけなのである。
こうして、両種族間の溝は一層深まっていった。
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