「プリズム・オブ・リラ 銀河系宇宙種族の起源を求めて」より引用
1992年8月20日 初版第一刷発行
著者:リサ・ロイヤル、キース・プリースト 翻訳:星名一美
陰と陽の二極の間に最初の葛藤が発生し始めたのは、琴座系の文明が展開されて間もなくの頃であった。
一部の琴座人は、直観力に富み受容的な女性原理の思想を体現するようになり、統合への道は、内面的な進化を経て達成されると信じるようになった。
一方、他の琴座人たちは男性原理を指向し、今後の進化のためには、その当時、彼らにとっては既知のものであった宇宙の領域を支配すべきであるという考えを掲げるに至った。
こうした考え方の相違は、双方の間に大きな軋轢を生んだ。
琴座文明が発展するなか、そこに住む一集団が、彼らの視点からすれば「否定的な」影響力から逃れて、独自の文化を発展させようと決意した。
そこで、彼らは新天地を求めて銀河系宇宙へと旅立ち、その過程で、豊かな天然資源に恵まれた若い惑星を見出した。
この惑星が地球であった。
地球に移り住むようになったこれらの琴座人は、数世代にわたって、当時の地球において進化の過程にあった霊長類と平和的に共存していた。
しかし、長期にわたる地球での生活を通して、地球の物質的な環境や電磁場に、自分たちが希望していたほどには適応できていないという事実に彼らは気づいた。
このために彼らは、遺伝子を自分たちの体内に少量づつ取り入れ、地球環境への適応をはかっていった。
そして数世代を経ると、彼らのDNAがわずかに変化し、地球上での生活に順応しやすい体になった。
地球に移住した琴座人が、そこに住む霊長類の遺伝子を自分たちの体内に取り入れていた頃、琴座から別の集団が地球にやって来た。
この新たな集団は、「創造の礎たち」と彼ら自身の希望を実現させるために、琴座人の遺伝子を地球の霊長類に組み込み始めた。
琴座からの新たな集団の到来は、「地球系琴座人」が、その父祖の地で嫌って逃れようとしていた旧来の葛藤を再燃させた。そこで、「地球系琴座人」は、地球を離れて、彼らが入植できる新たな惑星系を捜す道を選んだ。
琴座文明の過去に端を発する葛藤の影響から隔絶された場所で、新しい文明の創設を願った彼らは、銀河系宇宙の広範な領城を探索し、青く輝く若い星の一群を選び出した。
それは現在、プレアデス星団(昴座)として知られている。
このように、「地球系琴座人」たちはプレアデスへの入植を開始することになったが、彼らの意図は独立的でバランスのとれた種族を打ち立てることにあった。
こうしたことから、ブレアデスというまったく新しく、しかも安定した星団を入植先として選んだのである。
何よりも彼らが望んだのは、調和と真理、そして、無条件の愛を基礎とする文明の構築だった。
初期のプレアデス人(元「地球系琴座人」)は、高度に発達した直観力と、共同社会的な生活形態を築こうとする生来的な願望を持っていた。
プレアデス人は、何世代にもわたって新しい文化を発展させていったが、その文化は思索的な側面を特色としつつ、民族の発展に適合した技術の進歩を示した。
この間、いくつかの争いに見舞わ時期もあったが、プレアデス人が築き上げた文化の基盤は、何千年にもわたって安定の状態を維持した。
幾世代もの時間が流れるにつれ、こうした共同体指向のプレアデス人は、ことのほか平和と静寂に愛着するあまり、ネガティブな要素を持ついかなる事がらをも受け入られなくなってしまった。
人間型生命体としての自然な性癖を心の奥へと押しやった結果、ついに彼らは言いようのない虚無感に襲われるようになり、彼らの生活には葛藤も決意も学びもなくなった。
まさにこのとき、彼らは心の内なる叫びを聞いた。
絶望の淵からプレアデス人は、もともとの祖先である琴座人に接触した。
その内容を聞いた琴座人は、「創造」の道程から自らをほぼ完璧に切り離してきた文明の存在に驚愕した。
プレアデス人は、宇宙の他の領域で何が起きているか、まったく知らなかった。
彼らと同じ琴座系の血統にあるオリオン人の苦悩についてさえも、彼らは一切知らなかったのである。
オリオンにおける葛藤の存在を知ると、このとき彼らの魂の内に強い使命感が芽生え、オリオンの紛争解決に向けて、身を挺することになった。
プレアデス人が、オリオンにおける「闇」(訳注、negativity"、 字義的には「否定性」または「陰極性」の意。ここでは文脈に応じまたは「影の部分」と訳す。)と戦うことになったのは、この時点からである。
こうしてドラマが展開されるようになった。
プレアデス人はオリオンの葛藤にさまざまな形で参加した。彼らの中には、オリオン文明の陰と陽の両極の陣営に直接転生して、そこでの葛藤の内容を理解しようとした魂もあった。
大多数のプレアデスの意識にとって、オリオンに転生することは、抜け道のない迷路に迷い込むも同然だった。戦いは続いた。
しかし、彼らの種族が住んでいる、プレアデス星団の一惑星が、オリオン帝国に破壊されたことを契機に、彼らはオリオンの葛藤に積極的に関与するのをやめるようになった。
この惑星の全面的な破壊は、プレアデス人に壊滅的な打撃を与えた。
彼らはとりあえずプレアデスへの帰還を選択した。故郷に戻ることで彼らは力を取り戻し、統合の状態を実現する方法を求めて、魂の奥深くを探った。
しかし彼らは闇を恐れるあまり、行動不能の状態に陥ってしまった。
こうして、彼らは何かを待ち、考え、迷い続けた。
一方、地球では地球人を創成する計画が、(「創造の礎たち」から命を受けた)琴座人を肉体レベルの指揮者として、本格的に始動していた。
この計画には、琴座人の指揮の下、シリウス人を始めとする肉体を持つ複数の宇宙人集団が加わっていた。
地球人の創成にあたり、地球の土着の種族と地球外の種族の双方の遺伝子が必要なことが明らかになり、計画の実施者たちはプレアデス人に接触した。
当初、プレアデス人は、再び地球の問題に巻き込まれることに躊躇したが、琴座人は、この計画にかかわることで得られるプレアデス人の利点を挙げ、言葉巧みに誘った。
こうして琴座人は、プレアデス人が彼らの内面の影の部分に全面的に直面する機会を、はからずも提供することになったのである。
現在、プレアデス人は、ある明確な理由があって、敢えて地球人と一過性の接触しかしていない。
彼らは何千年にわたり、地球人を危険から守ったり、まるで親が自分の子供を言いなりにするように(これは、あくまでも地球人のためを思って行われたのだが)地球の出来事に介入してきた。
彼らの中には、自分たちの目的を遂げるために地球人を操作していた集団さえあった。
プレアデス人にとって、こうした過去は大きな恥となっている。
現在、彼らは、人類が自らの選択を下さなければならないと考えており、人類にその判断能力があると信ずべき時が来ていることを感じている。
プレアデス人は地球への干渉の歴史を通して、カルマのサイクルをつくりだしてしまった。
彼ら自身の成長のためにも、このサイクルに終止符を打つ必要に迫れらている。
今や、「地球に対する千渉」という過去のパターンを再現させることは、プレアデス人がもっとも避けたい事態なのである。
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